古くなったツーハンドル混合水栓を使いやすく修理
長く住むと不具合にも慣れてしまいます
社団法人日本バルブ工業会は水栓の耐用年数が10年でその後は買い替え検討期間(*1)としています。
しかし住宅の寿命は20年以上ありもっと長いもの(*2)ですからほとんどのご家庭で耐用年数を過ぎた水回り設備を使用することになります。
水栓製品の耐用年数が過ぎ不具合が多発するようになってからは、お住いが寿命を迎えリフォームなどを考えるまで修理や製品交換の回数が増え費用もかさむため、ついつい少しの水漏れや使いずらさを我慢して使い続けてしまうものです。
少しの不具合なら自分で直せるかも
小さなトラブルでも、毎日不具合のある水栓器具をそのまま使いつづけるのは、長い生活のスパンで見ると多くの無駄な時間や出費を積み上げてしまうことにつながります。
例えば、蛇口からの水漏れや洋式トイレ水漏れを試算しているある地方自治体では、1か月の漏水量が蛇口の不具合状況により約6㎥、洋式トイレの不具合状況により約20㎥~150㎥に達する場合があることが報告されています。
(引用 岩手中部水道企業団ホームページhttps://www.iwatetyubu-suido.jp/question/92/)
これに加えてグラついていたり固いバルブの開け閉めにかかる無駄な時間の蓄積も大きなものになります。
(蛇口の開閉に0.5分余計に時間がかかるとして、その水栓を毎日10回使用するとすると、1か月間で無駄にする時間は40分近くになります。)
(*1)
出典 社団法人 日本バルブ工業会(https://www.kitchen-bath.jp/wp-content/uploads/2016/01/45suisenijikanri.pdf)
(*2)住宅の寿命は40年を越えています。実際には木造住宅とRC作りのマンションでは異なります。
出典:国土交通省ホームページ (https://www.mlit.go.jp/common/001033889.pdf)
簡単に直せるものがあれば自分で直す考えが大切
いまから20年程前の新築住宅では、お風呂のシャワー付き混合水栓は、ツーハンドルブ壁付けタイプの製品が多く設置されていました。
現在では、耐用年数をはるかに超えた20年前のこの製品で多い不具合は、ハンドル部分の老朽化により回しづらくなっっていたり、ハンドル下部からの水漏れが止まらないという不具合です。
壁付けタイプの水栓交換は手間がかかり交換作業も素人では難しいものです。
また、製品交換をしようとしても、20年前のツーハンドルタイプのシャワー水栓は、今では、ほとんどが高機能高価格の自動温度調整タイプのサーモスタットシャワー水栓が中心になっており、かなりの高額出費(数万円程度)になります。
2ハンドル水栓の水漏れ補修
前述したように、2ハンドル水栓はハンドルの下から水が漏れてくることが多くあります。
この状態では、ほとんどの場合が、三角パッキンの不良劣化)か、パッキン押えの緩みが原因となっています。
2ハンドル水栓と言っても個々の構造は単水栓と同じですので三角パッキンを交換することで、不具合を直せます。
①ハンドル上部の青や赤のカラーキャップの下にマイナスドライバーを差し込んでこじって取り外します。(隙間に差し込んでドライバーを回転させることで簡単に取れます)
②カラーキャップが外れると、キャップを止めているネジが見えますのでネジを取り外してからハンドルを上に引くと簡単に外れます。
(ハンドルを交換するだけであればここで、交換してから逆の手順で取り付けて作業終了です。)
③ハンドル下からの水漏れの場合は、更に三角パッキンの交換作業を行います。
④次に、プライヤーを使ってパッキン押えを取り外します。(傷がつかないように当て布を行った上から適当な大きさのプライヤーで挟み反時計回りに回すと外れます。)
⑤パッキン押さえを外すと三角パッキンがみえますので、上に引き抜き新しい部品と交換します。
⑥この後は、逆の手順で部品を取り付け作業完了です。
家庭円満にもつながります
お風呂の2ハンドルタイプの混合栓は握って回す作業のため、小さなお子さんや高齢者には回しずらく温度調整が難しいケースが多くあります。
新しいハンドルに交換したことで回しやすくなるとお風呂が楽しみになったり、作業したお父さん(お母さん)は、修理もできるんだと尊敬されます。
更に、ハンドル部分をレバータイプに交換することもほぼ同じ手順でできますのでスピンドルのサイズにあう部品があれば交換するともっと回しやすくなります。